正直かなり期待していたのだよ。この時期に改めて実写版の鬼太郎の映画を
つくるというそのことだけでも期待をせざるを得ない上に、鬼太郎役にウェンツ
を持って来るという意表をついたキャスティング。アニメ版では見られなかった
漫画版のあのニヒルで斜に構えた鬼太郎が見られるのではないかと期待して
しまうではないか。
それが、こんな何も考えてない中身のない映画だとは。ただ今までの鬼太郎の、
しかもアニメ版のキャラクターや映像、ストーリーを単純になぞっているだけで、
今この時期に鬼太郎の映画を作る意味、ひいては妖怪の映画を作る意味を考えて
新しい物を作ろうとする気概が全く感じられなかった。今時乱開発と自然の対立
軸で物語が動いていくとは思えないし(しかもそこに決着がついてない!)、
現代のこの妖怪が棲みにくくなった時代に妖怪が現れるように舞台立てる
ことも放棄している。かといって突き抜けるほどポップな仕上がりになっている
わけでもなく、本当になぞっただけという印象なのだ。これで金を取ろうと
いうのは映画人として恥ずかしくないのだろうかとさえ思ってしまう。水木さん
はある程度喜んでいるようだが、水木さんを唖然とさせるような映画を作って
欲しかったな。
救いは芸達者なキャストが楽しんで演じているのが感じられたところか。
田中麗奈の猫娘や西田敏行の輪入道は良かったな。ま、所詮は役者の魅力に
おんぶに抱っこでそれ以上のモノがないということでもあるのだが。
65点。ねずみ男は大金持ちの前ではスーツ姿でなければならないはず。
(07.05.07 鑑賞)
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